セックスレスキュー / 大橋希

セックス レスキューを読みました。キム・ミョンガンというセックスカウンセラーの周辺のルポといえるでしょうか。テーマがいいので、取材は安直といおうか、男性の性の奉仕隊、利用者、キム・ミョンガンというフィクサー、それらの周辺(ホストなど)を順次にインタビューしていけば、本が一冊できました、みたいな。

後書きで著者は次のように書いている。

取材を始めた前後には、これでもかこれでもかというくらいセックスレスの話題が週刊誌をにぎわしていた。このごろは少し下火になっているが、それは悩んでいる人が減っているという意味ではないはずだ。そうした方々がこの本を読んで、苦しんでいるのは自分だけではないとか、こんな風に解決している人もいるということを知り、なにかを変えるきっかけにしてくれたら嬉しい。悩んではいないがセックスレスかもしれない、という方々にはもう一度パートナーとの関係を見つめ直してもらえたら幸いである。

つき並みといおうか、あまり考えていない後書きだと思う。できあがった本に添えるためだけの文章だ。それはさておき、バイアグラが日本で解禁されたのが1999年。それから、セックスレスが問題になり始めたのかもしれないななどと思っているのだが、どうだろうか?

すくなくとも、私が子供の頃に、両親はセックスしないものだと思っていた。たぶん、そうだったろうと思うし、近所のおじさんおばさんもそんなにがんばってセックスをしていなかったように思う。

なぜセックスレスが問題になったのか、それは現代の資本主義がセックスを必要としているからだ。卑近なところでは、バイアグラ関連の製薬会社は薬を必要とする方々を必要としている。ブライアン・ウィルソンのメディア・セックスを読むと、商品はセックスをほのめかすだけで売り上げが違うという。映画でも、男女の絡まない映画は売れないだろうし、モーターショーに美人の案内嬢は不可欠だ。

そういった資本主義が必要としているセックスの枠内にこの本はあるのだとおもう。つまり、幻想のセックスに迷う人々を救うものではないということだ。

とはいえ、この本はおもしろかった。ということは、私もしっかりと資本主義セックスの枠内にはいっているということか。

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