アマゾンレビュー、ページに追加しました。

アマゾンの読書レビューに倉中達彦名義で22点ほどのレビューを書いているのですが、このブログのページに追加しましたので、暇でしたら是非読んでください。

いま、アマゾンレビューを読み直してみると、一番印象に残った書籍は右脳と左脳―脳センサーでさぐる意識下の世界 (小学館ライブラリー)ですかね。

この書籍については、このブログでも何回か取り上げているのですが、実は、この本を読み終えて、一番先に思い出したのは、ライアル・ワトソンの未知の贈りもの (ちくま文庫)です。この本の最初に、インドネシアの孤島「ヌス・タリアン」での、意思をもつイカの群れとの不思議な遭遇体験があるのですが、実にファンタジックな描写と考察が語られているのです。

海洋イカの複雑な目には、虹彩、焦点調節可能なレンズ、それに、われわれと同程度に色やパターソ認識ができる敏感な細胞を十分にもつ網膜などが備わっている。イカは、他の動物と同じように、あるいはそれ以上の視力をもっている.少なくとも、かれらの目はそれだけの能力をもつ。それ自体、無気味なことだが、さらに、これほどの情報量をいったいどうするのだろうという点が気にかかる。

軟体勤物の神経系は、わずか三組の神経節という、束になった神経から成る小さなものにすぎない。一組は口のまわりに位置して、食べるごとしか関係がないようである。もうひとつは、食道直下にあって、ひれ、外套膜、触手、色素細胞などの動きを司る。そして、三つ目は消化管の上に納っている。イカの場合は、この三番目の敏感な神経細胞組織がいくらか分化していて、学習や連想にかかわる複雑な行戴パターンと関係のあるいろいろな機能を司るものだと考えられている。それは結局、脳なのだが、かなり単純で基礎的な脳にすぎない。信じられないほど復雑な眼球は莫大な情報量を提供してくれる。それを処理する脳はあまりにも原始的である。高価な望遠レンズを靴のあき箱にのっけるようなものだ。

あまりにもバカバカしい話だが、生物学者として、ただ不条理だと片づけるわけにはいかない。自然というのはときには道楽者のように、ありえないような計画をたてるか、最終的には全部がうまく組み合うのである.イカの目にもちゃんとした理由があるはずだが、あの瞬間はひとつの可能性しか考えられなかった。しかもその孝えは今でも紹介するのに躊躇してしまうほど突拍子もないものであり、同時に今でもきわめて説得力のある.気狂いじみた筋書きをもっている考えである.

単に論議のための仮定として、イカの目が想像通りのものだとしよう。可視光線が支配する周波数範囲内の電磁気的情報の探知・収集のための高度に発展した感覚器管である、とすれば、イカの眼はこの機器に機動力を与えるために、後に取り付けられているにすぎない。

海洋観察に置いて、イカにまさるカメラ台はあるだろうか。イカは敏速、迅速、しかも神出鬼没。昼も夜も、あらゆる深さに、あらゆる水温に、世界の海のどの部分にも、何十億といる、目に見えない観察者たちだ。

訪問者に警告する。当設備はクローズド・サーキットで常時観察されている。(p36-p38)

ちょっと最後の部分がわかりにくいのだが、これは翻訳の問題もあるのだろう。海で出会ったイカの大群、そこには確かな意思が感じられた。また、イカの大群の奥の方にも光が見られた。それをライアル・ワトソンの多くの知り合いに話したところ、いろいろな話があって、その中には地球外知的生命を語る人もいないわけではなかった。そういった話を披瀝しつつ、否定とも肯定ともつかない文章がつづくのだから、若干の混乱が、オリジナルと翻訳にあるのだと思われる。とはいえ、さすがにライアル・ワトソン、イカの話のはすっきりと以下のようにまとめられている。

私は同世代の人たちと同様に、「チーム精神」の概念を口先で唱えながら完全に競争的な状況の中でわれわれをぶつけ合わせるような教育制度の中で形成されてきた。私は自分の皮膚の限界に封じこめられただけではなく、その色によって他者とも区別される.ひとつの個体として自分を見るように教えられてきた.さいわいなことにこれは変わりつつある。

宇宙の砂漠に浮遊するオアシスのような、孤立した地球の写冥をはじめて見たとき、変らざるをえなかった。「ひとつの地球」の概念は、運命共同体という考え方を受け入れやすいものにしてくれた。われわれも、青い目のホタテ貝も、ウシも、地上を這うものすべても、いずれの種も最終的にはひとつの種に帰する。このすばらしいシステムの中で真に魅惑的で衝撃的なことは、われわれひとりひとりの中に「イカ的なるもの」がある、ということである。

われわれは地球の目であり、耳であり、われわれの考えることは地球的思考である。(p42)

それを、右脳と左脳―脳センサーでさぐる意識下の世界 の最終章がフォローするようにかぶさる。

・・・「宇宙の運行と脳の働き」にまで話が進んでいくのです。人の脳をセンサーとして使い、地震の予知などに使えるとの示唆にも触れています。(アマゾンレビューより)

ということで、いつか書かねばならないと思っていた、右脳と左脳―脳センサーでさぐる意識下の世界 (小学館ライブラリー)とライアル・ワトソンの未知の贈りもの (ちくま文庫)のイカの話でした。

以上ですが、追加して、

昨日の2010年9月6日の日本経済新聞朝刊の36面(最終ページ)に東京水産大学名誉教授奥谷氏がイカ研究について語っているエッセイを読んで、シンクロニシティを感じたのも、記事を書いた原因の一つです。


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