前世療法の探究を読みました。

前世療法の探究を読みました。面白かったですね。アマゾンのカスタマーレビューも概ねいい評判です。

催眠の施術に多くの経験を持つ著者が、最初は懐疑的だった前世療法―米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘 について、臨床事例を子細に検討して経験を重ねるうちに、フォロワーとなっていくさまがわかりやすく書かれています。どうしても前世療法―米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘を信じられない方々にお薦めの好著といえそうです。

本書の中でもっとも大事な事例、「天明三年の火山噴火に際し、人柱になったタエの前世」は、Youtubeで以前に見ておりました。いま、再度検索してみましたが、私がみたビデオは現在みつかりませんでしたが、テレビ画面をビデオで撮影したものがありました。これは、「タエの前世」ではなく、同じ方の違う前世、ネパール人であった頃についてです。ネパール語を知らないひとが、催眠でネパール語を語る(真正異言)にフォーカスを当てたビデオとなっています。Youtubeで「真正異言」を検索して見つけました。テレビで放映されたものとのことですが、最初見たときは、びっくりした覚えがあります。

そのビデオの背景について、子細に著されていたので、その点でも非常に得した気分がします。

参考までに、「あとがき」の一部を以下に紹介します。

 

前世療法に取り組み始め、「前世記憶」「中間世」「神的存在者」などの解釈に思いを巡らせていた筆者に、大きな示唆を与えてくださったのは、畏敬する成瀬悟策先生でした.先生は、二〇〇四年二月、明治学院大学で開かれた、策二九回日本教育催眠学会の対談席上で、「脳は心の家来です」「脳の病変によって動かないとされている脳性麻痺の動作訓練を催眠暗示でやってみると、動かないとされていた腕が動くようになりました。しかし、脳の病変はそのままです、こうしたことから身体を動かすのは脳ではなく、『オレ』であることにやっと気づきました.私のこの考え方を、正統医学は賛成しないでしょうが、二一世紀の終わりには、私の言ってることが明らかになるでしょう」と言われました,筆者の理解が誤っていなけれぱ、成瀬先生のこの考え方は「心・脳二元論」の言明であることになります.海外でも、W・ペンフィールド、J・エックルズ、R・スペリーなど優れた大脳科学者が、自らの実験研究をもとに「心・脳二元論」に至ったことを思うと、催眠研究歴六〇年の成瀬先生の言明には重さがあり、解釈としての「死後存統仮説」をとることに躊躇していた筆者には、深く共感できるお話でした。

一般に信じられている言説、つまり、心は脳の随伴現象であり、脳の消減とともに心も消滅してしまえぱ、生前に経験されたものはすぺて棄却されることになる、という言説は、唯物論科学の立場から、その立場上構成されている「信念」や[主張」をそのまま表現したものであって、その言説自体は、科学的に確定された手続きによって、証明・検証されたものではないのです。[心・脳二元論」は、この事実を認め、物質である脳の消減後も、脳とは別個の実在である「オレ(意識体)」の、死後生存可能性を否定しないことを意味します。したがって、成瀬先生のお話を契機に、「死後存続仮説」は、ありうべからざる非科学的憶説として忌避されるものではけっしてない、と益々思うようになりました。

 

あなたは死なない―「魂の科学」が人生を変える/イアン・カリー

暑い日が続いていますが、ご自愛下さい。

あなたは死なない―「魂の科学」が人生を変えるを読みました。とてもおもしろかったです。

著者はカナダトロント大学社会学部教授、「死」に関する講座を持ち、医学・老年医学・神学・心理学の同僚教授たちとともに、運営した。本書は、豊富な実例とともに、ゴースト臨死体験体外離脱、あの世、輪廻転生、退行催眠、カルマなどについて語る。

はったりなどのない、誠実な説明は非常に好感がもてました。

この手の本で、注意するのは、読んでて怖いか怖くないかです。なにせ、就寝前の読書が習慣なものですから、怖いのは困ります。睡眠は小さな死という話もあるので、この本を読むと、寝るのが楽しみになりましたね。語り口も平易でやさしいから、神経を静めるにはもってこいです。

ということで、この本の中で本来はあの世にいくはずの死者がなぜこの世に留まっているのかについての部分(96ページから97ページ)を紹介しましょう。

未完成の仕事

ゴーストを地上にとどまらせてしまう、多くの種類の「未完成の仕事」がある。ここにあげるタイブのゴーストは、スピリット(霊)が、「アースバウンド(地上にとどまっているスピリット)」となってしまうだいたいの状況を明らかにするだろう。

第一番目の事例は、本章の前半に出てきた、せっかくお金をかけて内装を手入れしたのに、ゴーストのために住めなくなった家の事例である。ニューヨーク州ロックランド郡のダントン・ウォーカー氏の家にいたゴーストである。彼は、ポーランド系の移民だった。アメリカ独立戦争のときには、アメリカ兵として従軍した。彼は、秘密の軍事計画文書を運んでいる途中に、英国軍に捕らえられ、残忍な拷問にかけられた。その結果、精神に異常をきたし、数年後に死んでいた。そして、いまだに「捕虜となる前にかくした機密文書を守りぬくことだった。彼は、そのことにいまだにとらわれていたのだった。パーク・アベニューに開業している精神科医のL医師は、トランス・サイキックであるアイリーン・ギャレットの協力を得て、この「存在」と対談し、救っている。

そして、その日から、幽霊現象はやんだ。

次の「未完成の仕事」が原因の幽霊現象の事例ぱ、先の事例に比べるとドラマチックなものではない。

退役した「現実的な性格の」英国海軍将官の家族に起こったできごとである。彼の二人の息子たちが、彼に次のようにうったえはじめた。夜、息子たちが部屋で寝ているときに.「何者か」が部屋にいるというのである。二人の息子は、音を聞いていた。そして、朝には、寝る前に脱いだ靴が、移動されているごとに気づいていた。母親も、その足音が聞こえていたことを認めた。それに、ある日その元将官がスコッチウイスキーのソーダ割りを飲んでいると、ひとりでにそのグラスが移動して、床に落ちて割れた。二、三日後には、今度は、その元将官が使っていた水差しが、同じようにして割れた。彼は、何かおかしなカが働いていることを認めざるをえなかった。トランス・サイキックの助けを借りることを助言され、トランス・サイキックのアイリーン・ギャレットがこの事例を扱うことになった。そして、この家の母親の死んだ弟が起こしていた現象だったと判明した。彼は、二年前に精神病で死んでいた。彼は、その病気のときに、遺言書を作成していた。その中で彼は、最愛の妻には何も残さないで、白分の家屋を遠縁の従兄弟にゆずるとしていたのだった。死後、彼は自分のしたことを悔やみ、どうにかその状況をただそうとして、必死だったのだ。それで、姉の家族の注目を引くために、音を立てたり、物品を移動させたりしていたのだ。彼のこういった試みは成功した。そして、この幽霊現象もやんだのである。

ここまでの事例から、以下のごとが明らかとなった。つまり、どのようなことであれ、故人がやり残していると感じている気がかりな「未完成の仕事」があれば、それが故人を地上に(肉体がなくなっているのに)とどまらせてしまうということだ。単に、その故入が重要だと思い込んでいるものでありさえすればよい。